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網膜とは

網膜とは、カメラのフィルムの機能に相当する目の中にある薄い膜で、物の形を捉えたり光を感じたりする部位です。この網膜の中心には黄斑と呼ばれる、物を見る際に大切な部分があり、その真ん中にある中心窩と呼ばれる部位は、視力検査で測っている視力に深く関わっています。ここに異常をきたすと視力低下に繋がります。

眼球の断面図

各網膜疾患の症状

糖尿病性網膜症

糖尿病により、血液はドロドロになり流れが悪くなります。そのため、目の中にある毛細血管が詰まりやすくなるので出血を起こします。早期には自覚症状を感じにくく、点状の出血などがみられるようになります。進行してくると、毛細血管の詰まりが広範囲に渡っていき、行き場を失った血液が新たな血管を伸ばすようになります。この状態になると、硝子体出血や牽引性網膜剥離が誘発されやすく急激な視力低下に繋がります。自覚症状を感じにくいため、見づらさを感じた頃にはかなり進行している例も多く、失明の原因にもなりますので、内科での血糖コントロールをしっかり行い、定期的に眼科受診し眼底検査をお勧めします。

●治療

基本は内科的な血糖コントロールですが、血糖コントロールで進行を抑制できるのは、早期の糖尿病網膜症であり、ある程度進行してしまった場合にはレーザーを出血した箇所や新生血管に照射して進行を抑制するレーザー光凝固術を施行します。

・硝子体内注射
アバスチン

当院では、糖尿病網膜症に対するアバスチン注射治療を行っています。アバスチンは、VEGF(血管内皮増殖因子)というタンパク質に対する抗体で、このVEGFが分泌されると、新生血管や網膜の浮腫(むくみ)が引き起こされます。アバスチンを注射することによって、この新生血管の成長を抑えたり、浮腫を軽減します。この浮腫は、3カ月前後で過半数が再発し、繰り返し投与する場合もあります。(※自由診療となります。)

・レーザー光凝固術

網膜にレーザーを照射して、出血の治療や新生血管の発生を防ぐ方法です。この治療は視力を回復させる目的ではなく、網膜症の進行を阻止するために行います。

レーザー
  • 外来通院で治療可能です
  • 点眼麻酔をして、1回15~30分程度の時間で終了します
  • 進行の段階によって、数回に分けて治療します

黄斑前膜

加齢により目の中にある硝子体と呼ばれる透明なゲル状の組織が剥がれてしまい、その一部が網膜の中心にある黄斑に張り付いて、膜を形成することによって引き起こされます。

この膜が厚くなり不透明になるに従って、視力が低下していきます。また、物を見た時に歪んで見えるといった症状を訴えるようになります。

黄斑円孔

硝子体が年齢を重ねて網膜から剥がれるときに、硝子体が網膜から剥がれずに引っ張って黄斑の部分に穴が開いてしまう事があります。これを黄斑円孔と言います。黄斑に穴が開くため視力の低下や歪み、視野の中心だけ見えないなどと訴えるようになります。

網膜剥離

眼球の断面図

網膜に穴が開いたり、引っ張られたりすることによって、網膜が剥がれてしまうことがあり、これを網膜剥離と言います。視力低下やカーテン状の幕がかかったような感じなど様々な症状がみられます。

硝子体手術

糖尿病網膜症・黄斑前膜・黄斑円孔・網膜剥離は外科的治療として硝子体手術を行います。硝子体手術では、眼球に穴を開けそこから硝子体の代わりになる灌流液、眼内を照らす照明と硝子体を切除・吸引する機械を入れ、硝子体を切除します。また、必要に応じて目の中にレーザーを照射します。同時に白内障手術を施行する場合もあります。硝子体手術をすることで白内障が進行する為です。

硝子体手術

眼球内の圧力を保つために灌流液を注ぎながら、吸引カッターで硝子体内の出血を吸い取ったり、剥がれた網膜を元に戻したりします。眼内は暗いので、照明ファイバーで照らしながら手術します。

●術後

手術後約1~2週間の入院が必要となります。術後安静となり、うつ伏せが必要な場合もあります。(医師の指示に従って下さい。)尚、通常眼帯は1週間着用して頂きます。術後5日目から入浴(顔を濡らさないように)、10日目から洗髪・洗顔が可能になりますが、経過により異なります。

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