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緑内障とは

眼球の中は水分と、硝子体というゼラチン質のもので満たされており、この水分の圧を眼圧と言います。眼圧は眼内の水の循環システムにより適正圧に保たれていますが、何らかの原因でこの眼圧が上昇すると、眼の後ろについている視神経の部分が圧迫されて、次第に萎縮して視野が狭くなって失明する可能性があります。治療により適正な状態へ眼圧コントロールしていきますが、一度萎縮した視神経を治すことは不可能なため、早期発見、早期治療が重要となります。

●房水と眼圧の関係

房水と眼圧の関係

疫学

日本での緑内障の頻度は、40才以上の成人男女のおよそ20人に1人といわれております。男女差は基本的にありません。今からおよそ15年ほど前に、岐阜県の多治見市で、役場の協力を得て、無作為に抽出した40才以上の市民のうち同意のあった方に緑内障の有無を調べたところ、対象人口の5.0%に緑内障を疑う所見が認められました。これを日本の標準的な有病率と考えると、少なくとも日本全体で300万人の緑内障患者がいることになりますが、この時点で緑内障の治療を受けていた人は100万人に満たず、残りの200万人以上の人は治療を受けていないことになります。

このため、人間ドックやたまたま受診した眼科の診察で、緑内障を疑う所見があった場合は、すぐに精密検査をお勧めし、早い機会に緑内障の可能性の有無をお知らせする必要があります。緑内障の疑いと言われた場合はすぐに眼科を受診して下さい。視野欠損はかなり進行しないと自分では気付かない場合が多く、特に片方の眼だけ進行が早い場合は、多くの場合気付くことが遅れます。以前高齢者の原因不明の失明とされたものの多くが緑内障であった可能性がありますが、今は治療法が進歩し、早い段階で治療を開始すればかなり進行を抑えることができますので、手遅れにならないうちに検査を受けることをお勧めします。

●視野の変化(右目)

視野の変化(右目)

種類

緑内障は眼の水圧(眼圧)が上がることで起こりますが、水圧の上がる原因によって、急性タイプと慢性タイプに大きく分けられます。眼の中の水(房水)は、図に示すように水晶体を吊り下げている毛様体と言われる部分から眼の中に入り、角膜と虹彩に挟まれた狭い隙間(隅角)から眼の外に出ます。この隅角が塞がると急激に眼圧が上昇しますが、このようなタイプ(急性タイプ)を閉塞隅角緑内障といいます。一方隅角は十分開いているのに、水の出口が「目詰まり」を起こし、少し眼圧が上がるタイプ(慢性タイプ)を開放隅角緑内障といいます。それぞれ以下のような特徴があります。

●開放隅角緑内障

隅角は十分に開いているのに眼圧が高く、慢性に経過しながら少しずつ視野が狭くなっていくタイプ。このタイプは急激に眼圧が上がることはなく、そのため本人の自覚症状が乏しく、本人の知らないうちにゆっくりと進行します。このタイプの多くは、眼圧はほぼ正常範囲なのに視野が狭くなっていくタイプで(正常眼圧緑内障)、自覚症状が全くないため早期発見が必須となります。緑内障と診断された場合は、この先長期に亘り治療が必要となります。

開放隅角緑内障

●閉塞隅角緑内障

隅角が狭いことにより起こるタイプ。何らかの原因で完全閉塞を起こすと眼圧が非常に高くなり、猛烈な痛みを伴いますが(緑内障発作)、発作が起きたら48時間以内に治療を行わないと失明に繋がる危険な状態となります。隅角をみれば発作を起こしそうな眼かどうかが分かるので、このような眼には事前にレーザーで水の抜け道を作っておくと発作を防ぐことができます。

閉塞隅角緑内障

検査

緑内障を疑うきっかけは、眼圧が高い場合と視神経が潰れたような所見が認められた場合で、最近は人間ドックでの眼底写真撮影や、コンタクトレンズ作成のために眼科を受診して偶然見つかる場合などが多く、早期に受診する率が以前より格段に上がっております。このため、ちゃんとコントロールすれば押さえ込める病気になりつつあります。ただ、そのような検査に漏れた場合は、視野が欠けるまで気付かれないことが多いため、早期発見が必須であることに変わりはありません。

緑内障の検査には、以下のようなものがあります。

●眼圧検査

非接触型の眼圧計(NCT)と接触型の眼圧計(ゴールドマン圧平眼圧計)があり、その他、顎台に顔を乗せることができない人のために、手持ち眼圧計もあります。

●視野検査

視野検査検査員が動かす視標の見える範囲を調べるゴールドマン視野検査(動的視野)と器械が自動的に視標を呈示して見える範囲を調べるハンフリー視野検査(静的視野)の二通りがあります。動的視野は視野全域が調べられる利点があり、静的視野は計測範囲は狭い(中心から30°以内)ものの視野の異常を数値化することができる利点があります。この二つの検査結果を総合的に判断して診断と治療を行います。

●光干渉断層撮影装置(OCT)

視神経の付け根(視神経乳頭)の凹み具合や、視神経乳頭近傍の神経線維層の厚さを測る器械。ここ数年で急速に発展した器械です。

●視神経乳頭形状解析装置(HRT)

同じく視神経乳頭の凹み具合を明示的に表す事のできる器械。神経がどの程度生きているかが視覚的に判断できます。

●眼圧日内変動測定

眼圧は24時間周期で変動するため、24時間眼圧をモニターし、特に夜間に眼圧が上がっていないかどうかを確認します。

当院では緑内障が疑われる人に、入院の上これらの検査をすべて行い、緑内障かどうかを正確に判定しております。また、治療方針に苦慮するような難症例にも対応しております。

治療

緑内障の進行を阻止するには、本来は進行を完全に食い止めるような神経保護の治療法、さらには神経を再生するような再生治療法が理想ですが、残念ながら今の医学では、一度死んだ神経を再生することは不可能で、眼圧を下げることにより進行を食い止める方法しかありません。それでも眼圧を下げることによりかなり進行にブレーキをかける事は可能なので、診断がついた時点ですぐにこれらの治療を開始します。

1.点眼治療

最初は目薬をつけることから始めます。1日1回(朝か寝る前)の点眼からはじめ、効かない場合は他の薬を追加します。現在、世界で大きく分けて5種類の作用機序が違う薬が用いられており、これらを組み合わせながら、眼圧をコントロールしていきます。副作用として、目の充血、睫毛が太くなり眼の周りが黒くなるなどの他、薬によっては心臓や肺に負担がかかるものもあり、全身状態を見ながら薬を選択していきます。

●緑内障点眼薬の主な種類と働き

緑内障点眼薬の主な種類と働き

2.内服治療

点眼だけでコントロールできない場合は、内服薬を追加します。手足が痺れたり、結石ができやすいなどの副作用がありますが、効果的に眼圧を下げることができます。

3.レーザー治療

隅角やその近くにレーザーを照射し、水の通り道を広げる処置。上記治療法が奏功しない場合、レーザー治療を行う場合があります。

4.点滴治療

急性緑内障発作など緊急に眼圧を下げる必要がある場合、点滴により一時的に眼圧を下げます。但し効果は一時的で、あくまでも急性期の処置となります。

5.手術治療

以上のいずれも効かない場合は、最終手段として手術治療が必要となります。もっとも確実に眼圧を下げられる方法で、これによりコントロールが効率的に行われます。ただ、手術後時間が経過してまた眼圧が上がってくる場合があり、この場合は再手術が必要となります。

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